2018年9月8日土曜日

ゼノシリーズ考察 過去作設定から観るゼノブレイドの世界構成

今回はこれまで出されたゼノシリーズの設定から、ゼノブレイド1と2(できればクロス)の世界の成り立ちについて考察していきます。

ゼノシリーズ全般のネタバレがあり。


上位領域と下位領域


ある程度の基本設定からおさらい。

ゼノサーガがメインとなりますが、ゼノシリーズの世界は主に
膨大なエネルギーが存在する高次元の空間『上位領域』と、
物質の存在する実数領域(肉体の世界)に
精神の存在する虚数領域(心の世界)が重なって
成り立つ空間『下位領域』で構成される。

そして、この上下の領域の接点、繋がる部分がゼノブレイド2(以下XB2)でも登場した
ゲート(ゾハル)という重要物になります。







XB2最終話にて
クラウスが語るゲート







ゲートと高次元の住人


ゲートは上位領域と下位領域が何らかの理由で繋がった時に
発生する扉であり、上位領域側の膨大なエネルギーが流れ込んでいきます。

下位領域側から見たら、無限の力を持つ永久機関のような物で
XB2の楽園やデバイスの動力源に使われていたようです。

このエネルギーそのものが、上位領域に住まう
(人々から見たら神とも呼べる存在)波動存在であり
下位領域側と干渉する事で様々な力を発生させていきます。

波動存在との接触の意味


理論上、可能性が0%の事象であっても引き起こす事ができる
ゲート(上位領域)の力ですが、実際には様々な制約が存在しています。
(なんでもありですが、好きなようにできる訳ではない)

まず一つ目は、上位領域側には肉体や意識、意志という物が存在していない事。

高次元にいる波動存在は何と、自らが存在している事すら自覚でらず、
考える事もできない、膨大なエネルギーの無の揺らぎでしかない。
(自分がいる事がわからない、誰かに起こしてもらえるまで永遠と寝ているような状態)

しかし、これに下位領域側から何かしらの干渉が起きると、
波動存在は自分が存在する事を自覚し、意志が定義される。
上位領域側に行動を起こさせるのです。

この現象はXB2でクラウスはゲートを使い
相転移実験を行った事で発生していると思われ、
これによってゼノブレイド1(以下XB1)の世界の誕生などが
高次元の干渉によって発生していったと考えられます。

XB1のアルヴィースはゼノギアスでも見られた
波動存在に似た姿をしていましたが、もしかしたら実験によって
高次元の意識が下位領域へと流れて形となったのが
モナド(アルヴィース)であるのかもしれません。

(立ち位置としてはゼノギアスのエレハイムの方が近い?)

エンディングにて
巨神界を眺めるシュルクと
特殊な姿のアルヴィース。







モナドと望みを叶える力

XB1と2に登場するモナドや、望んだ事を起こす力は
下位領域側から波動存在に意志(望み)を定義、行動させる事で発生する、
上位領域の力そのものであると推測します。

この現象は事象変異と呼ばれ、上位領域の干渉により、
実数領域(現実)が、虚数領域(望み)という下位領域内の空間が
入れ替わる事で発生する現象です。

XB2のレックスが覚醒ホムラ(ヒカリ)と共に使った能力は
このようにして物理法則が書き換わる事で発生していると考えられます。

またXB1ではモナドは意志の力と語られていましたが、
意志によって形となった上位領域のエネルギーそのもの、
まさに神(波動存在)の剣と言える代物なのではないでしょうか。

下位領域から上位領域へと行く事はできない


ゲートは扉ではあるが、高次元から発生した物であり
基本的に下位領域の存在が上位領域へと渡る事はできない。

ゼノブレイド1と2の登場人物であるクラウスは、ゲートを開いて
神のいる領域へと渡ろうとしたが失敗したのは、この為でしょう。

結果として、地球の人々は全て何処か次元の彼方へと飛ばされてしまい、
クラウスの半身はザンザとしてゼノブレイド1の世界へと転移します。

※一部の肉体(実数領域)と精神(虚数領域)が別れてしまったとも捉えられる。

このゼノブレイド1の世界は、無限に広がる海の空間という、
物質世界の法則で考えたらあり得ない構成がされていました。

恐らくここは虚数領域の上に巨神と機神という2つの肉体が
実数領域として展開される事で成り立っている世界だと考えられます。

(ゼノサーガではワープ航法の技術として、虚数領域に実数領域を
形成するハイパースペースという手段が利用された)

ゼノブレイド1のエンディングで起きた事象変異


アルヴィースはエンディングにて、この世界は
このままだと消滅してしまうと語っていました。

虚数領域内に実数領域を展開している状況は
いつまでも続かない事を指しているのか。
もしくは本来なら重なって一つの下位領域であるはずのXB1と2の世界が
違う形をしているのが宇宙全体から見て大きな問題であったのかもしれません。

そしてアルヴィースの問いに対してシュルクは、
神のいない世界を選択する事で世界が再構成されたような描写が見られました。

これは虚数領域の上に存在していたXB1の世界が
実数領域へと入れ替わった、事象変異が発生した事を
表現したのかもしれません。

それと(恐らく)同時期にXB2世界のゲートが消失したのは
神のいない世界を選択した事の影響であると思われます。

上位領域の絶対的な存在(神)から解放され、
下位領域に生きる人々が独立していく事を
宇宙構造の変化そのものでも意味している……と捉えると、
ゼノシリーズの物語のテーマにも通じるところがあるように感じられました。

XB1にて世界が再構成される様子。

巨神界を囲むように物質が纏わって
いくような演出がなされる。





余談その1 ノポンダイセンニンと虚数領域


XB2のチャレンジバトルでは、異なる世界の住人としてXB1シュルクとフィオルン、
ゼノブレイドクロス(以下XBX)からエルマさんが登場します。

彼らはノポンダイセンニン曰く、アルスト上では意識体のような存在として活動している
と語られていました。
これは虚数領域を介して実数領域へと関わっている事を
指しているように受け取れます。

また虚数領域には実数領域の物理法則が当てはまらず、時間や距離という概念が
存在しないので、登場したシュルクとフィオルンがXB1エンディング後の
状況からレックスたちと出会えたのも、XB2のラストバトル時との
時間のズレがある矛盾を補足…いや、寧ろ虚数領域を利用している事を
指すために逢えて矛盾があるように表現しているのではないでしょうか。

こんな事ができるノポンダイセンニンは、
上位領域や虚数領域側の存在なのかもしれません。
とてもそのようには見えないのが問題ですが……。


余談その2 消えたはずの記憶と集合的無意識

ゼノシリーズ、特にXBシリーズでは消えた記憶が残っているという
あり得ないような現象が発生しています。

XB1ではエギルに消されたはずのガドの記憶。
XB2ではコアクリスタルに戻ったブレイドたちや
メツに消されたホムラとヒカリの人格。
XBXではセントラルライフの破損により
人格情報が無いはずのB.B.たちが該当します。

これはXB2のKOS-MOSのキズナトークでも振られており、
自分でも何故知っているのか分からない記憶が、別の領域に
存在していると語られます。
恐らくそれは、虚数領域であり、下位領域に存在する全ての意識が
集まる事から集合的無意識とも呼ばれるものです。

XB1は世界そのものが、ブレイドたちは情報を伝達するシステム的に
虚数領域と密接に関係していると思われ、その影響で記憶が消えてしまっても
集合的無意識に残された人格の影響で、再び人格情報が取り戻せるのだと
推測できます。

もしかしたら、消えた記憶の持ち主の強い意志が
実数領域へと影響を与える、事象変異現象を発生させたのかも
しれませんね。

余談その3 ゼノブレイドクロスの世界は?


物語や世界観が最後まで描かれていないXBXについては
完全な憶測しかできませんでした。

ここには、とりあえずそれらを羅列していく…という殴り書きの状態で
記させて頂きます。

惑星ミラの謎

ゼノサーガ関連の設定を調べ直していて気づいたのですが
惑星ミラの何処か別の場所から引き寄せる、という力は
ゼノサーガで描かれたアニムスという上位領域に存在する
宇宙を調整、収束する力(概念そのもの)が連想されます。

登場人物のマリア(KOS-MOS)はそれが、何らかの影響で
意志のある個体となったのですが、惑星ミラも元々は上位領域にある
存在が何かの干渉や影響となって、惑星として形成されていったと
捉える事ができるのではないでしょうか。

考えられる例としては、地球を失った人類の意志を
感じ取った上位領域側によって形成された。
(地球に残った謎の天才科学者ミラが手を講じた可能性あり?)

またはXB1世界がシュルクたちの選択により、
実数領域へと入れ替わった影響で誕生した、新しい領域。
(XBXの作中ではノポン人やモナドらしき物の伝承など類似点が散見される)

惑星ミラの全貌が描かれていない現状では憶測の域を出ませんが、
これらが原因となるとあの場所もまたXB1世界のように不安定で、
何かしないと宇宙そのものが存続できない可能性が高そうです。

XB2とは異なる地球


XBXに登場する地球は、XB2のものとは異なり、
地上に人々が暮らしている、軌道タワーや宇宙ステーションは
存在していない、という点があります。

時系列は近いところがあるようですが、宇宙人からの干渉という
大きな歴史の違いがある事から、XB1と2とは異なる宇宙、もしくは次元(新しい実数領域か虚数領域?)が舞台なのでしょう。

XB2のチャレンジバトルも関連させるなら、虚数領域はXB1、2、Xで共有されているが
実数領域はそれぞれ異なる空間で存在している、という可能性もありそうです。

これならXBXに登場するノポンたちやミラの過去にXB1の伝承などが残されている
事に筋が通せるかもしれません。

ゴーストはグノーシスなのか


地球を襲ったグロウスと、もう一つの勢力である謎の生体兵器郡は
設定資料によるとゴーストと呼ばれるもののようです。

物理法則を無視して壁を通過できるなど、実数領域と虚数領域を
跨いだ活動ができるところが、ゼノサーガのグノーシスに酷似。

そのグノーシスは虚数領域(集合的無意識)に存在しながら個を持つ、
言うならば、死んでいるのに実数領域(現実)に存在できるという
文字通りのゴーストであります。

また、XBXでは、人々が仮の肉体に意識を移して活動しているが、
その意識の大元となる装置が壊れていた、という怪現象に直面する事で
物語が区切られました。
これも、本来なら死んでいるのに動いているというグノーシスと同じ状況で
あるとも捉えられます。

XBXのゴーストと、NLA(ニューロサンゼルス)の人々は同じである。
ゼノサーガで描かれたグノーシスも元々は人間だったのが
特殊な状況が重なり変化した姿……。

XB2のゲート並に、過去作の存在そのまんまな感じがありますね。

できるなら、本来想定していたストーリーの全てが
詰まったXBXをやってみたいです…。


余談その4 そもそもゲートが現れた理由とは?


ゲートは何らかの理由で上位領域と下位領域が繋がる事で発生しますが、
それがどういった理由なのかはハッキリと分かりませんが
いくつか例や憶測を並べていこうと思います。

宇宙が誕生した時から存在している?

上位領域と下位領域が発生した時に既に接点があり
ゲートは発生しているという可能性。
それを長い年月が経って文明を築いた人類が発見、
様々な接触を試みる事で、下位領域と上位領域の
問題が起きていくという展開が起きる。

一番無理がなく安定する説だが、それ以外にも考えていきたい。

下位領域側の発展によって上位領域側への干渉が起きる?


これは高度な技術と文明を築いた意識を持つ生命体が増えていくと
高次元へと干渉する可能性が増えていくと考えられます。

宇宙進出を果たし高度な文明が築かれていたゼノサーガ世界では
自分たちの住む宇宙(下位領域)の構造が、
実数領域と虚数領域という2つの概念で構成されている事が
知れ渡っていましたが、こうした事が進んでいけば、次第に
上位領域という概念の存在も発見、知覚していけるように
なっていくと思われます。

これは人類が発展すれば、いずれ必ずゲートが現れて、
そして作中で起きる世界の滅亡や宇宙の崩壊という危機が
発生してしまう、と考えるといくらかゼノシリーズの物語にも
噛み合ってくる…かも?

別の宇宙からの干渉によって発生してしまう?


これは上記の例の派生ですが、何らかの理由でゲートが
発生した宇宙が、また別の宇宙へと影響を与える事で
上位領域と下位領域の接触が起きてしまうという可能性。

例えば、ゼノサーガでは波動存在が死の概念を持つウ・ドゥなのに
対して、ゼノギアスでは母性という意志を定義された存在と、
全く別に描かれています。

同じ宇宙に2つの波動存在が存在しているのは
作中描写を見るに考えづらいので、
これらは別の上位領域、異なる宇宙が存在している
可能性を描かれているとも捉えられます。

この別の宇宙からの干渉によって、ゲートが発生する
切っ掛けのなかった世界に、上位領域と下位領域の接触という
現象が起きてしまう、というのがこの例になります。
(ゼノギアスのゾハルは、ゼノサーガの影響で発生した
可能性あり?)

上位領域側からの干渉があると発生する?

これは、ゼノギアスで描かれた波動存在は自覚できない、
下位領域側から接触しなければならないという設定と
矛盾するのですが、意志がないだけで
無尽蔵のエネルギーとしては存在しているので、
その力の揺らぎや余波によっては下位領域側に
何かしらの干渉をしてしまう可能性があります。
(例えるなら睡眠中に寝返りを打つように
無意識なだけで動いて干渉してしまった)

ゼノサーガではゾハル(ゲート)は上位領域の観測端末であり、
下位領域を監視する為にある、と描かれましたが、
意志のない存在が意志のある存在たちに惹かれて
観測という行為を行っている、とも捉えられるのでしょうか。

また宇宙が崩壊の危機に瀕する時に発動する代物なので、
下位領域で人類が空間の干渉など問題を起こすと
自動的にゲートを発生させて対応を始めていくのかもしれません。

余談の最後に 作品ごとの見方


これらの設定や考察、憶測は基本的に宇宙の構造について
詳しく描かれたゼノサーガを軸に見ていきましたが、
ゼノギアスでは似ている設定、描かれ方はしていても
上位領域や下位領域という捉え方はしていません。

あくまで、作中の登場人物たちによってシリーズ全体で同じ概念を、
独自に解釈している、という描かれ方だと思った方が良さそうです。

特にサーガとギアスは販売された会社も異なるので、
ゼノブレイドシリーズとして見ていくなら、
今回何度も触れた上位領域と下位領域という捉え方とは
異なる設定が、今後描かれていく事になるかもしれません。

いずれ全貌が見えてくる、その時に期待していますね。
一番大事なのはゲームそのものを楽しむ事ですが。

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